これからの時代のリーダーに必要な「戦わない力」
AI時代のリーダーの原則③
■変化対応力~どんな状況でも成果を出すのがリーダー
「このメンバーでは無理です」
私があるマネジャーに言われた言葉です。
彼は私が受け持った地域に転勤で配属された部下です。このマネジャーは、以前の部署で初めてマネジャーに登用され、すばらしい結果を出し、今回期待を背負ってさらに大きな部署のマネジャーに着任したのでした。
しかし、部下はバラバラ、方向も定まらず、業績は一気に下降したのです
彼は以前のような優秀なメンバーと仕組みがないと、ここでは業績を出せない旨を私に訴えましたが、私の考えは違います。
リーダーとは、どのような環境でも与えられた資源を活用しチームを導き成果を出し続ける人を指します。
環境が変わってマネジメントがうまく行かないということは、そのマネジメントが未熟なのです。
私たちも彼のように、以前うまく行った方法を黄金律のように使い続けると失敗をします。
それは外部環境や人の価値観に合わせて、マネジメントも変化させなければならないからです。
実際に5名のチームと50名のチームのマネジメントの仕方は全く違います。
5名だと一人ひとりと信頼関係を結べるので、細かいマネジメントが可能でしょう。
しかし50名になると一人のリーダーがそれぞれのメンバーを見る限界があります。
いくつかのチームに分割して、それぞれリーダーをつくる一方で、そのリーダーに細かい指示を任せて、大きな方向を決めることに重点を置くなどの変化が必要なのです。
これから、ビジネス環境はさらに加速度をつけて変化します。
おそらく一つの会社から給与を得て働く働き方も崩壊し、いくつかの仕事から収入を得て働く人が増えたり、みんなでまとまって働くオフィスという概念もなくなるでしょう。
働き方が増えると、それをマネジメントする方は、今までのやり方を変えなければなりません。状況に変化対応する力が必要なわけです。
状況に変化対応するには、環境の変化を読み取る力とそれに対応する対策を考える力が必要です。
環境の変化に対応するには、とくに外部環境に敏感になってください。社内の環境しか知らない状態では取り残されてしまいます。常に情報を取り。社外の人脈を形成し、その人たちから情報を得るルートを開拓しなければなりません。
もう一つは「対策立案力」です。
これは変化球を増やすということです。叱り方も一辺倒ではなく、怒鳴る、諭す、質問する、時には落ち込むなど様々な方法を知り、状況に応じて使い分けることが大事なのです。
これからのリーダーは予想がつかないマネジメント環境で成果を求められるのは間違いありません。今から二つの力を養い備えるべきでしょう。